第7回 帝京大・栃木県柔道整復師会ジョイントシンポジウム
8/9(日)に豊郷台の帝京大宇都宮キャンパスで恒例のジョイントシンポジウムが行われました。
はじめに帝京大学医療技術学部柔道整復学科・学科長の井原正博先生から、今回は大学と当会とのジョイントシンポジウムの形式を更に鮮明にし、セカンドからサードステージへと更なる飛躍を目指していきたいとの挨拶で始まりました。
今回は特別講演が2つあり、このシンポジウムの生みの親である前学科長の塩川光一郎先生には専門の発生生物学や細胞生物学の視点から柔道整復学にアプローチする可能性を、現学科長の井原先生にはご自身で携わっている障害者のための乗馬療法で得られた身体的、心理的に劇的に改善した例を映像を交えて御高説いただきました。
当会会員からは学術部副部長の尾野剛稚会員が「県内イベント会場で行った骨密度測定の報告」の演題で4ヶ所のイベント会場で行った500人を超える骨密度測定・アンケート収集の結果を基に運動歴と骨密度の相関関係を発表しました。
結果YAMの数値の低い人が運動をしているグループより運動をしていないグループが上回るという意外な結果が示されて、予測と違う結果に更なる継続的なデータの収集、分析を続けていくとの事でした。分析の課題としてはアンケートの内容が「運動」=「スポーツ」と限定してしまい、家事労働やライフスタイル等は考慮に入れなかった点を挙げ、グループ分けや数字(%)の精度などを上げていくことをあげていました。
また昨年に続き小山支部学術部員の舘佳孝会員が「シンスプリントにおける足底板を用いた2症例」の演題で前方型と後方型2つのタイプのシンスプリントに対する足底板療法を発表しました。正に現場ですぐ使えるとあって学生はもちろん、大学の先生からも質問が相次ぎ、提案としてシンスプリントの患者さんは10代が多いことからも、柔整師が学校との連携強化をはかり予防をしていけるような、「情報」をアウトプットする重要性を指摘され、私達それぞれにも宿題を頂きました。お2人共、日々の業務の合間に準備するのはとても大変だったと思います。頭が下がる思いで拝聴させて頂きました。
他にも大学院生による発表も行われ、充実した内容のジョイントシンポジウムになったと思います。内容は専門的すぎて中々理解できませんでしたが(笑)、長期展望としては柔整業界としてとても重要な研究になる可能性を強く感じました。 沖永学長の挨拶では正にそれを裏付ける形で、柔整科を設置する意義を、生理的な動きを捉えた上で考えていくことができる人材を育てること、つまりは科学的根拠を基に立証・検証していく学問として柔整学の構築をめざしていくことを強調していました。
柔整業界の未来を考えればとても重要なことであり、患者さんのためにも我々自身のためにも日々研鑽を重ねて一丸となって立ち向かっていくことが大切な事だと改めて感じました。
シンポジウム終了後の懇親会では発表時とは雰囲気もガラリと変わり、終始和やかな感じでした。
これからもこの関係をさらに発展させていければいいとサンドイッチを食べながら思いました。(^O^)
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